テオバルト
相澤政宏特別実習講座 ☆ 参加者体験記
初めて参加してー
鈴 木 由 紀 子 さん (東京都・58歳)
※鈴木さんは全盲でいらっしゃいますが、介助の方が一日中付き添ってくださって、ご参加いただきました。
相澤先生の講座で最も印象的だったのは、フルートの演奏技法についての2つの実習でした。
最初の時間では、跳躍技法の実習として、4音列のシ→5音列のシ→6音列のドというように、
オクターヴ離れた2つ以上の音を同じ息で吹いてみるという実習をしました。息を十分吸って、
それぞれの音程に注意を払いながら、また7音列に近い音に飛ぶときに余計な音が混じらないように。
いろいろなことを考えながら、じっくり練習させていただきました。
次の時間では、美しい音色で曲を演奏するために、隣合った音同士、またフレーズの最初の音と
次の音とのつながりに気をつけて吹きましょうということで、ビゼイの「メヌエット」の
最初の部分を題材にして、参加者全員が自分のフルートで実習をしました。
「隣合った音を滑らかに」というのは私が普段習っている先生もおっしゃっていますが、
今回の講座での実習でその意味がはっきり理解できました。
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目が見えないので楽譜を直接読むことができない私にとって、この講座に参加させていただく
ための準備はとても大変でした。まず譜読みのこと。課題曲3曲のうち「メヌエット」は
学生時代に「怖いもの知らず」で吹いたことがあったので曲は大体覚えていましたし、
点字の楽譜も持っていました。でもあとの2曲は、主題の旋率は知っていましたが、
アンサンブル用に編曲されたものを改めて覚え直さなくてはなりません。
私が新しい曲を覚えるときは、まず模範演奏を見つけてそれを聞きながら曲を覚えます。
その後点訳楽譜で曲装や強弱などの表現ぶりを習い、何度も吹き込んで仕上げていきます。
今回はよいお手本が見つけられず、特急便で点訳していただいた楽譜を頼りに必死で
勉強しましたが、なかなか覚え込めませんでした。フレーズごとに楽譜を覚えてフルートで
吹いてみると、そのときにはちゃんと吹けるのですが、特に曲の後半の部分になると混乱して、
次にどう吹いてよいのか忘れてしまうのです。そこで普段家の近くでレッスンを受けている
音楽教室の先生に相談しました。私が覚えておくべきところを模範演奏していただいて
ICレコーダーに取らせていただいて、それをお手本にして一生懸命覚え込みました。
お蔭で当日皆さんと一緒にアンサンブルを楽しむことができました。
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理論的にお話を聞くだけでなく、先生のおっしゃったことを楽器で音を出しながら
実習できるという今回の企画は本当によかったです。とても貴重な体験をさせていただきました。
最後になりましたが、準備の段階から「テオバルト」の皆さんにたくさんの
配慮をしていただいて私の願いをかなえていただけたことに心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
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フルートの模範演奏までして送り出してくださった私の先生や、短期間で楽譜を点訳してくださった
楽譜点訳グループの方々、そして1日中私に付き添ってくださった移動支援サービス事業所の方等、
多くの人たちの協力で私がこの講座に参加できたのですから、
いろいろな配慮をしていただいたら、こんなこともできるということが伝えられるといいかなと思います。